「よもぎ蒸しが子宮筋腫に良いと聞いたけれど本当ですか?」「施術を受けても大丈夫でしょうか?」このような質問を良くいただくため、今回は、よもぎ蒸しと子宮筋腫の関係について、わかりやすくお話しします。
子宮筋腫って一体何?知っておきたい基本のこと

子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。
「腫瘍」と聞くとドキッとしてしまいますが、がんではないので安心してくださいね。実は、成人女性の約3人に1人が持っているとても身近な病気なんです。特に30代から40代の女性に多く見られます。
子宮筋腫には、できる場所によって種類があります。子宮の内側にできるもの、筋肉の中にできるもの、外側にできるものがあって、それぞれ症状が少し違います。
多くの場合、女性ホルモンの影響で大きくなると考えられているので、更年期になってホルモンが減ると小さくなることもあるんです。
子宮筋腫をお持ちの方は月経量の増加や月経期間の延長に悩まれているということです。
また、筋腫が大きくなると、下腹部の重い感じや腰痛、トイレが近くなるなどの症状が現れることもあります。貧血になりやすいのも特徴の一つです。
よもぎ蒸しってどんなもの?

よもぎ蒸しは、韓国で600年以上も前から続いている伝統的な美容・健康法です。
専用の椅子に座って、よもぎなどの薬草を煮出した蒸気を下半身に当てることで、体を内側から温める方法です。
よもぎには血行を良くしたり、炎症を抑えたりする効果があると言われています。蒸気の温かさで下半身がじんわりと温まって、骨盤まわりの血液の流れが良くなることが期待されます。
私の施術所でも、足つぼと一緒によもぎ蒸しを提供していますが、「体がポカポカして気持ちいい」「リラックスできる」という声をよくいただきます。
ただし、よもぎ蒸しはあくまでも民間療法の一つです。
医学的に効果が証明されているわけではないので、「絶対に治る」というものではありません。
体を温めてリラックスするための方法として考えていただくのが一番良いと思います。
子宮筋腫がある方がよもぎ蒸しを受ける時の注意点

施術中の体調変化にご注意
子宮筋腫がある方の施術では、いつも以上に体調の変化に注意が必要です。のぼせやめまい、気分が悪くなったり、お腹が痛くなったりした際は一旦中断しましょう。
温かい蒸気で血行が良くなることで、筋腫のまわりの血の流れも良くなります。
これにより、普段は感じない違和感や痛みを感じることがあります。そんな時は無理をしないで、すぐに施術をストップしましょう。
施術の回数や時間を調整
子宮筋腫がある方には、普通の方よりも施術の回数を少なめにして、時間も短めにすることケースがあります。
週1回くらいから始めて、体の様子を見ながら調整すると良いでしょう。
最初は30分くらいの短い時間から始めて、慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていきましょう。
足つぼから見える体のサイン

足に現れる子宮筋腫のサイン
足つぼ施術をしていると、子宮筋腫がある方の足には特徴的なサインが現れることがあります。
特に内くるぶしのまわりにある生殖器系の反射区が硬くなっていたり、痛みを感じたり、腫れていたりするケースがあります。
血液の流れに関係する反射区にも変化が見られることがあります。
足の甲や足首のまわりの反射区が硬くなっていたり、足全体が冷たく感じられたりすることもあります。
これは、骨盤のまわりの血液の流れが良くない可能性を示しているかもしれません。
全身のバランスを整えることの大切さ
子宮筋腫がある方の施術では、局所的なケアだけでなく、体全体のバランスを整えることも重要です。足つぼの良いところは、足を刺激することで全身に働きかけることができることです。
特に自律神経のバランスを整えることはとても重要で、ストレスや緊張が続くと、ホルモンのバランスにも影響する可能性があります。
足つぼでリラックスして自律神経が整うことで、体の自然な回復力が高まることが期待できます。
お腹の調子に関係する反射区にも注意を払っています。便秘や消化不良があると、骨盤まわりの血液の流れにも影響することがあります。
体全体の代謝を良くすることで、婦人科系の健康もサポートにも効果的です。
よもぎ蒸しと足つぼを組み合わせる効果

なぜ組み合わせると良いの?
よもぎ蒸しと足つぼを一緒に行うことで、それぞれ単独で行うよりも良い効果が期待できることがあります。
まずよもぎ蒸しで体を温めてから足つぼを刺激することで、足先など末端部分の血行が改善されやすくなるため、効果的です。
おすすめする施術の順番
よもぎ蒸しを行ったあと、足つぼ施術を行うのがおすすめです。
よもぎ蒸しの温熱効果で身体全体の血流が促進されたあとに、足つぼ施術を行うことで、特に足先など末端部分の血行が改善されます。
これにより、冷え性やむくみの解消がさらに効果的になります。
また、よもぎ蒸しで身体がリラックスしている状態で足つぼを刺激することで、疲れが取れやすくなり、心身ともにリフレッシュする効果もアップ。
よもぎ蒸しの前後には、しっかりと水分を取っていただきます。
汗をかいて体の水分が失われるので、脱水にならないよう注意が必要です。
また、施術後は急に立ち上がらず、ゆっくりと体を慣らしてから動くようにお伝えしています。
一人一人に合わせた施術
子宮筋腫がある方への施術では、お一人お一人の状態に合わせることがとても大切です。
筋腫の大きさ、場所、症状、年齢、体質などを総合的に考えて、その方に最適な施術を提案しています。
初回は特に慎重に行って、体の反応をしっかりと観察します。その後は、前回の反応や体調の変化を参考にしながら、強さや時間を調整していきます。
同じ方でも、体調や生理の周期によって反応が変わることがあるので、毎回の状態確認は欠かせません。
お客様には、施術の記録をつけていただくことをおすすめしています。
施術後の体調の変化、生理の様子、日常生活での変化などを記録することで、施術の効果や適切な回数を判断する材料になります。
日常生活で気をつけていただきたいこと

体を冷やさないことが一番大切
子宮筋腫がある方には、普段の生活で体を冷やさないことをおすすめしています。
体が冷えると血液の流れが悪くなって、子宮や卵巣の働きにも影響する可能性があります。よもぎ蒸しで一時的に温まることも大切ですが、普段から体を冷やさない習慣をつけることが根本的な改善につながります。
足首やお腹、腰のまわりを重点的に温めることをおすすめしています。
これらの部分は血液の流れにとても重要な役割があるので、いつも温かく保つことで全身の血行が良くなります。
レッグウォーマーや腹巻きなどを使って、普段から保温することが大切です。
お風呂もとても重要です。
シャワーだけでなく、湯船にゆっくりと浸かることで、体の芯から温まることができます。38〜40度くらいのぬるめのお湯に15〜20分くらい浸かることで、リラックス効果も得られます。
ストレスをためないように
ストレスは自律神経やホルモンのバランスに大きく影響するので、上手にストレスを発散することが大切です。深呼吸や軽い運動、好きなことをする時間を作るなど、自分なりのリラックス方法を見つけてください。
十分な睡眠も重要です。睡眠不足はホルモンのバランスを崩して、免疫力の低下にもつながります。
質の良い睡眠を取るために、寝る前にリラックスする時間を作ったり、寝室の環境を整えたりすることをおすすめしています。
まとめ:安全で効果的な施術のために

これまでの足つぼ施術者としての経験を通して感じるのは、子宮筋腫がある方へのケアには、特別な配慮と知識が必要だということです。
よもぎ蒸しは確かにたくさんの女性に愛される温熱療法ですが、子宮筋腫がある場合は、慎重に進めることが大切です。
お医者さんと連携しながら、治療と平行し、サポート的な役割として位置づけることが大切です。
また、お一人お一人の状態に合わせて施術を行い、安全性を何より優先することが、施術者としての責任だと考えています。
皆さんにお伝えしたいのは、体のケアは急がずゆっくりと行うものだということです。継続的なケアと生活習慣の改善で、少しずつ体調が良くなっていくものです。
焦らず、自分の体と向き合いながら、適切なケアを続けていただければと思います。
何より大切なのは、自分の体を大切にして、専門家と連携しながら健康的な生活を送ることです。
よもぎ蒸しや足つぼは、そのお手伝いをするためのツールの一つとして活用していただければ嬉しいです。